2017年8月27日日曜日

悲嘆における4つのプロセス。

entry#8
<サッドマネージメント塾-第8夜>

グリーフワークという言葉があります。
グリーフ(grief)とは、死別などによる深い悲しみ・悲嘆、後悔、絶望と訳されています。人の生においてかけがえのない大切な人や時間を失ったときの、深い悲しみを意味します。

このグリーフ=悲嘆に陥ったときの人間心理を、様々な学者が分析しています。
主には、先にエントリしたキューブラー・ロスの死を受容するプロセスと同様な考え方に立しているようです。

たとえば、精神科医でクリスチャンでもある故平山正実博士は、近しい者と死別した時に現れる悲嘆のプロセスを4段階に整理しています。
また、これらの段階は1から順番ということでもなく、入れ替わって出現することもあるといいます。

悲嘆のプロセス4段階 

1.ショック(ストレス)

感覚が麻痺し、涙も出ない、感情が湧かない、足が地につかない状態。
何も考えられず、混乱した精神状態の中で何にも集中できない。
食べる、眠るなどの、簡単な日常生活のことさえもできなくなってしまう。

2.怒りの段階(防衛的退行)

悲しみ、罪責感、怒り、責任転嫁が現れる。
深い悲しみの中で、故人や周囲の人を責め、そう考えてしまう自分自身をも責める気持ちが混在する。
故人との思い出にふけり、現実を容認できない。
夢想や空想と現実の区別がつかなくなっている。

3.抑うつの段階(承認)


絶望感、深い抑鬱、空虚感、無表情、希死念慮。
周囲のすべてのものへの関心がなくなり、自分を価値のない人間だと感じる。
適応能力が欠損し、外出せず、引きこもり状態になる。

4.立ち直りの段階(適応と変化)

徐すこしづつエネルギーが湧いて、新しい希望が見えはじめる。
周囲との関わりをもっと大切にしようと考える。

故人の死の現実を認めはじめる段階。


以上、キューブラー・ロスが提唱した「自己の死を受け入れる5つのプロセス」と非常に近しい内容のものですね。
こうしたいくつかの段階が順不同で現れて、最終的には4の立ち直り段階に到達するという説です。



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