2017年9月10日日曜日

悲しみはいくつある?〜喪失から生まれる9つの感情。

entry #15
<サッドマネージメント塾-第15夜>

悲しみの対象、癒しを考える上で、もう少し「悲しみ」について考察が必要です。
すでにentry#4では「悲しみを引き起こすもの。」について、悲しみの原因には、"死別""喪失""絶望"の、大きく3つが考えられると書きました。

死別は、愛する人を失うことですから、喪失に含まれます。さらに、喪失にすら至らない喪失、つまり得られないということもありますね。永遠の片想いとか、子供ができないとか、お金が手に入らないとか。

絶望についても、夢や希望、生き甲斐、自分の存在意義、尊厳、生命、命より大切なもの、そんなものを失って、もはやどうしようもない深い闇に落ち込んだときに生じるとすれば、これもまた大きく言えば喪失によるもにです。

まとめると、悲しみは、大切な何かを失ってしまったとき、あるいは大切な何かが得られなかったときの感情ということです。

では、悲しみにはどんな種類があるでしょうか。

◾️喪失感 死別や破産、形あるものの喪失
大切な人や財産、大切にしている事柄など、主には形あるものを失ったときに感じる言いようのない根本的な哀しみ。

◾️孤独感 人間関係、社会関係の喪失
この世にたった一人孤立している、友人どころか知人も仲間も、助けてくれる人も理解してくれる人もいないという悲しみ。

◾️寂寥感 人間関係や心の拠り所の喪失
仲間がいないわけではないが、どうせ理解されない、孤独感とまでもいかない寂しさ。荒地や海などの心象風景によってさえ呼び起こされる状態のときの感情。

◾️不信感   裏切りや疑惑による信頼関係の喪失
信じていた人に裏切られた、裏切られるかもしれないと思うときに感じる喪失感。

◾️疎外感   居場所や存在感の喪失
自分では孤立しているつもりはないのに、周囲から居場所を奪われ、存在を否定されたときの感情。

◾️非承認感   承認欲求が叶わないことによる自尊心・プライドの喪失
誰かに認められたい、わかってもらいたい、自己の能力や場合によっては存在そのものを認めて欲しいという承認欲求が叶わないときにわき起こる悲しみ。

◾️挫折感   自己の価値や存在感の喪失、自己崩壊感
夢や望みが断たれ、自分の価値を低く見たり、自分の存在を否定している状態の感情。

◾️虚無感・空虚感   絶望に至る自己の喪失
挫折や喪失をきっかけに、もう何もかもが空っぽになってしまった、虚しいと思う絶望一歩手前の感情。

◾️絶望感 夢や希望、生き甲斐、存在意義など、自己の喪失
この世のすべてに意味を見出せなくなってしまった、死に至る感情。通常は喪失感に由来することが多いが、哲学的な形而上の思惑に起因する場合もある。

どうでしょう。重複する箇所もあるかもしれません。上記に含まれない種類の悲しみが見つかったら、コメント欄で教えてください。


実はもうひとつ、「自己不一致による悲しみ」についても思い至ったのですが、これはすべてを包括するものとして、別枠にしました。詳しくは次のエントリーに書きますが、上にまとめた悲しみは、どの種類のものもすべて、理想と現実、内面と外面、自分の中で一致していないことが引き起こす感情だと思うからです。